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名刺と会社と看板と定年

 昔、名刺はほとんど身分証明書でもあったような気がする。まともな企業にまともに勤めたことの無い私には経験が無いが、まともな企業に勤めている方にとっては、相手に名刺を出すときは、チョット誇らしいものであったらしい。こちらが名刺を出す瞬間の、相手の反応はいろんな事の集大成?としての反応でもあったらしい。
 ただ、その会社名刺を持つということは、言い換えるとその会社看板を背負っているということでもある。名刺を相手に出すときは、会社を代表しているということでもあった。決して会社内の地位は高くない場合でも、相手にとっては、あなたは会社代表者なのである。
 モチロン、良い意味での会社代表者は問題ないが、いつの間にか、別の意味で名刺会社看板と一体化してしまう。20年30年の間に看板たる名刺は、いつの間にか自分そのものになってしまう。そして定年名刺という看板が消えたときこそ、本当の意味で実力が試されるのかも知れない。
 そろそろ定年が見えた方は、会社看板なしの本当の自分の名刺を考えたほうが良いかも知れない。もっと言うと、バリバリ現場で仕事しているときから、仕事の肩書きなしの自分だけのプライベート名刺を用意すべきなのかもしれない。何しろ、人生は長いのである。

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